私の名前で出ています
現在、出会い系サイトというものがいろいろと話題になっている。中にはそこから結婚まで至ってしまう人もいるらしいが、そういう人たちというのは顔も知らない時点から互いに引かれ合うものを感じているのかもしれない。
しかしあなたは、出会い系サイトが話題になる以前から、顔も知らないのに奇妙な因縁で結ばれている男の話をご存知だろうか・・・・・・。
それは、私が高校の卒業式を終えて間もない時のことであった。すでに函館の大学への進学が決まっていた私は、いろいろと新生活の準備に追われていた。そんな時に、教材関係の会社から奇妙な一本の電話が入るのである。
「○○××さん(私の本名)ですよね?」
「はい、そうですけど」
「あなた、釧路公立大に合格されましたか?」
「は?」
確かに、私はすべり止めのために釧路公立大にも受験の申し込みをしていた。しかし、そこの試験日前に函館の大学に合格できたので、入試には行かなかったはずなのだ。うちの電話番号をどこからか仕入れてきたくせに、肝心の合否の情報を間違えるとはバカな奴だ、と思っていたが、事件はそれに止まらなかったのである。
その日の夕方、我が家ではテレビの釧路地方版ニュースを見ていた。そしてその中で、釧路公立大の合格発表のニュースがあったのだが、その映像を見てあ然とした。合格者の名前を書いた紙をアップで撮った時に、何と、よりによって私の名前が画面中央に現れたのである。そして、翌日の新聞の合格者発表にも私の名前が出ているではないか。
この事態に私は困惑した。試験も受けていないのに受かるはずがない。いや、何よりも、私の友人・知人がこの報道で勘違いするのが一番困る。そんな時、私はふと先の電話で言われたことを思い出したのである。
「違うんですか。では同姓同名の方ですね」
私と同じ名字、名前で、しかも漢字もすべて同一の人間が、私が受けようとしていた大学を受験していたのである。もしも、私もその同姓同名の男と同じ大学に入っていたらどうなっていたのだろう・・・・・・。さぞかし、教授や友人などを困惑させる大変な事態になっていたに違いない。全く恐ろしいことである。
しかし、この同姓同名の2人の因縁はまだ始まったばかりなのである。2度目のニアミス―それは、私が大学に入学して間もなくとある塾で講師として働き出し、夏期講習を函館ではなく地元釧路で担当することになった時に起こったのである・・・・・・。
(つづく)